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2025年

麻績村と旧日向村合併70年 節目に住民が歩み振り返る

2026/01/01
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日当たりのよい聖山の麓で麻(右側)と日(左側)に大別される麻績村(青柳城址公園から撮影)。今年で合併70年を迎えた

 麻績村は今年、昭和31(1956)年の旧日向村との合併から70年を迎える。村は記念誌の発行や「合併70周年」を冠した恒例行事・イベントの展開を検討し、両地域の住民が一体となって村の歩みを祝う考えだ。合併当時を知る住民は、徐々に高齢化し減少しつつあるが、当時を懐かしみながら、村のさらなる飛躍を願っている。
 同年9月30日に合併した。麻績村の住所表記の大字には、旧村名の名残を残す「麻」と「日」が残る。旧日向村役場は現在の第2公民館辺りにあり中心部を形成した。付近にあった旧日向小学校は昭和44年に麻績小へ統合された。合併に先立つ26年には麻績・日向・坂井旧3村による組合立の筑北中学校も開校した。
 野田沢(日)の農業・塚原紀男さん(85)は、旧日向村役場の周りは呉服店や鮮魚店、文房具店などが並び「にぎやかだった」と振り返る。合併後は村の中心が旧麻績駅周辺へ移り日向中心部が徐々に縮小するのを感じつつ「麻績との人口差は大きくみんな合併に納得していた」と語る。「ただ日向は坂の上なので昔から自転車をこぐのは大変だった。今はもう年なので、バスなどの公共交通は便利であってほしいね」と願っていた。
 市野川(麻)の農業・若林茂富さん(94)は、旧坂井村を含む旧3村の関係を「互いに親戚づきあいが強く、高等小学校(中学校相当)で一緒に学んだ仲でもあり、つながりは深かった」と振り返り「だから麻績・日向で合併しても仲良くやってこられたと思う」と語る。
 市野川出身の主婦・坂口和子さん(85)=丸山(日)=は聖高原開発公社を経て村観光課で日向地域の観光振興に尽力してきた。坂口さんは日向の魅力について「名前の通り日当たりがよく、北アルプスへ沈む夕日の景色も素晴らしい。リンゴもおいしいね」と語っていた。