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2025年

松本空港の発着枠 県と地元4地区が拡大で合意

2025/12/25
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 県営松本空港(松本市、塩尻市)で運航されている定期便の離着陸回数の上限(発着枠)について、現状の1日12回から20回に増やすことに、県などと松本市の地元4地区(今井、神林、笹賀、和田)が合意したことが24日、県松本空港課への取材で分かった。松本空港の定期便発着枠はすでに上限の12回に達しており、今回の地元合意により、現行路線の増便や新たな路線拡充も可能となる。

 県と地元4地区は空港運用に関する協定を結んでおり、今回の発着枠拡大について昨年3月、県が事前協議を地元に申し入れた。地元4地区は空港対策委員会などで検討を重ね、20回への拡大に合意した。
 松本空港は現在、フジドリームエアラインズ(FDA)が札幌、神戸、福岡の3路線を運航し、夏季はFDAの札幌・丘珠線に加え、日本航空(JAL)が大阪・伊丹線を運航している。FDAの神戸線が令和3年8月に1日2往復に複便化する時は、1日の発着枠がJALを含めて14便(7往復)になるため、県が急きょ地元に協議を要請し暫定的に認められた経緯がある。
 松本空港の利用者は新型コロナウイルス禍の令和2年度に約7万6000人まで減ったが、その後は増加に転じ、4年度は約22万8000人に達した。20万人を上回ったのは平成9(1997)年度以来25年ぶりで、5、6年度は25万人台と好調な利用が続いている。
 発着枠上限拡大の地元合意について、県松本空港課は「既存路線の増便と、新規路線の拡大などに向けて計画的な誘致が可能になり、松本空港の発展につながる」としている。神林地区の空港対策委員会によると、地元からの強い反対はなく、百瀬茂敏委員長は「地元の声や要望をしっかりと聞いてもらいながら、空港の活性化につなげてほしい」と求めた。