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2025年

冬の味 豆糀仕込む 木曽町福島の小池糀店 しょうゆ豆の原料 

2025/12/25
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 木曽町福島の小池糀店で、冬の味覚・しょうゆ豆の原料となる「豆糀」作りが始まった。家庭での仕込みが動き出す冬の寒さを待って、丹精込めた手仕事に取りかかっている。
 いった大豆を蒸して麹をまぶし、「諸ぶた」と呼ぶ木箱で3日かけて菌を育てる。温度が高すぎると雑菌が繁殖したり乾燥しすぎたりするため、絶えず気を配り、夜中も様子を見て調整する。菌が十分に回った豆は、純白の衣をまとったような姿になる。
 豆糀と麦糀をぬるま湯と塩で発酵させると、しょうゆ豆に。ご飯にのせても餅に添えてもよし。ショウガやネギを加えるなど、家庭ごとの〝わが家の味〟があるのも魅力だ。
 仕込みは例年12~2月。木曽町宮ノ越や木祖村、王滝村など、寒さの厳しい地域を中心に、多くの家庭が仕込みを待ちわびている。「これがないと冬が越せない」との声に、工場長の唐沢裕之さん(53)は「手間はかかるがやめられない」と話す。
 次回の仕込みは1月中旬で、予約は10日までに。問い合わせは同店(電話0264・22・2409)へ。

白く菌が回った豆を丁寧に混ぜ、木箱を入れ替えて温度を整える職人の手仕事