異色の落語家が真打ちに 県ケ丘高卒業の柳家圭花さん
2025/12/24
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松本県ケ丘高校(松本市)出身の落語家・柳家圭花(本名・北村圭大)さん(44)=東京都=が来年3月、真打ちに昇進し、二代目華形家八百八を襲名する。高校時代はサッカーに明け暮れて全国大会出場を果たし、会社員時代にふと見た寄席で落語にはまり、29歳で弟子入りした異色の経歴を持つ。「『この人何やるんだろう』とわくわくしてもらえるような落語家になりたい」と日々精進する。6月には松本で襲名披露公演を開催予定だ。
松本市中央1のMウイングで18日に開かれた松本落語会の例会では、師匠の柳家花緑さんと高座に上がった。当日はマイクの調子が悪く、マイクなしで声を張り上げて一席を演じ、「声がつぶれても本望」と言って会場を沸かせた。
圭花さんは明治大学農学部を卒業後、食品会社の研究職に就いた。10代前半、東京・上野でふと見た落語に魅せられ、寄席をよく見るように。「噺家ってかっこいい。自分でもできるんじゃないか」と思い、29歳を目前に弟子入りした。
出身地の大町や、松本の中町・蔵シック館などで自ら寄席を開くなど研さんも重ね、松本落語会の例会にもたびたび招かれた。師匠の花緑さんは「やりたい話をどんどん覚え、情熱を常に持っている。一番いい時はもっと先にある。地元の人には特にひいきにしてほしい」と話す。
圭花さんは高校時代、サッカー漬けの毎日だった。3年生の時には全国高校総体にFWとして出場。今でも時折、母校が出場する試合を観戦するなど母校愛は強い。圭花さんと同期の主将で、県ケ丘高サッカー部の浅輪賢史監督は「ずばっと笑わせる感覚があり、ムードメーカーだった」と振り返り「好きなことを諦めず、自己実現するのは素晴らしい。『笑点』に出るくらいになってほしい」とエールを送っている。




