木曽漆器の伝統塗り技法 木曽堆朱柄の風呂敷が完成 岩原さんと山本さん協力
2025/12/18
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塩尻市特産の木曽漆器を代表する伝統的な技法「木曽堆朱」の塗り文様(柄)を転写プリントした風呂敷が完成した。漆塗り職人の岩原裕右さん(47)=木曽平沢=と商品企画などをするデザイナー・山本円郁さん(41)=奈良井=が協力して制作した新製品で、2人は「漆を知るきっかけになれば」としている。
16日には市役所の百瀬敬市長を訪ねて披露した。「Tsuishu Furoshiki」と題した製品は、漆をイメージした赤色で、サイズは縦96センチ、横97センチ。ポリエステル素材で、汚れが付きにくい「超はっ水加工」の仕様になっている。木曽堆朱は、漆を何層にも塗り重ね研ぎ出し年輪のような独特の文様を表現する技法だ。風呂敷に転写プリントする原版となる塗り板は、岩原さんが制作。2種類の朱漆と黒漆を計13回塗り重ねた。その塗り板をデジタルデータ化し引き延ばした。
8年前に東京から移住した山本さんが「柄がかっこいい」と感じていた木曽堆朱を用い、さまざまな使い方ができる風呂敷での製品化を友人の岩原さんに提案し、令和5年から制作を始めた。山本さんは「憧れの堆朱を手の届きやすいものにしたかった」と話す。岩原さんは「もう一度木曽堆朱の価値を分かってもらえれば」と話す。
今回は50枚を制作21日に発売し、販売価格は1枚7700円(税込み)。今後は白など別の色も制作する計画がある。岩原さんが営む未空うるし工芸(電話090・2477・2914)や山本さんが営む奈良井の宿泊施設「wakamatsu(わかまつ)」で取り扱う。



