木曽路トレイル 整備提案 木祖の有志が推奨ルート 街道遺産活用 観光振興へ
2025/12/18
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「木曽路ロングトレイル」の整備に向け、木祖村の住民らでつくる「木祖村推奨ルートを考える会」が、村内の推奨ルートと今後の整備に関する意見書をまとめた。令和6年度に木曽広域連合が実施した調査事業を基に、伊能忠敬の古地図を地理情報システム(GIS)を活用して現代地図に重ね合わせ、埋もれた旧街道の遺産や見どころを再確認。ロングトレイルとしての魅力を高め、地域資源を生かした持続可能な観光の実現を目指している。
「ロングトレイル」とは、自然や歴史、文化を感じながら長距離を歩く歩行ルートのことで、欧米では観光や健康づくりの手段として広く親しまれている。推奨ルートは中山道に沿い、駅や観光拠点を経由する安全な道を基本とする。階段や高さ制限のある場所にはう回路を設け、誰もが歩きやすいルートとした。
意見書では、案内看板の統一や所要時間、宿場ごとの起終点の表示などを提案。複数の経路がある場所では、推奨ルートや最短ルートを明示する工夫も盛り込んだ。宿場文化に触れる場の確保や、住民とトレッカーの交流による地域振興にも言及している。
さらに、木曽路全体を視野に入れた日本遺産としての活用や、「木曽路ロングトレイル安全対策協議会(仮称)」の設置も要望。道迷いポイントや危険箇所への看板、横断歩道の整備など、安全対策を含む環境整備を呼び掛けている。
16日夜、5回にわたるワークショップを締めくくる検討会が村役場で開かれ、意見書が奥原秀一村長に提出された。奥原村長は「安全な歩行環境の整備を最優先に進める」とし、新年度に鳥居峠(村・塩尻市境)の崩落箇所を補修する方針を明らかにした。案内看板の統一については、木曽郡全体での整備を木曽広域連合に提案したい考えも示した。




