松本市、人口ビジョン見直し 数値目標固定化せず
2025/12/17
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松本市は16日、人口減少と超少子高齢化に対応する指針「人口ビジョン」の改訂案を明らかにした。5年前に「現在と同等の24万人程度の人口を維持する」ことを目標の一つに掲げていたが、「2040年までに一定の規模と安定した人口構造を実現」「特に65歳未満の人口を平準化し、持続可能な社会の基盤を確保」に変更する。人口減少が進む中、「縮小にあらがう」のではなく「安定をつくる」方向性を明確化した。

市議会議員協議会で示した。将来人口の数値目標を固定化せず、市民と「未来像」を共有するために修正した。2040年は団塊ジュニアの子ども世代が、子育て期の最終段階を迎える時期で重要な分岐点となるとし、早期に人口政策に取り組むことを重視した。
自然増と社会増を実現し、世代間の人口バランスをとる「人口定常化」の定義も見直す。単に自然増の実現を目指すのではなく、市民の希望する出産を実現できる社会環境を整備するとともに、「松本で暮らし続けたい」「松本に移り住みたい」と思える地域づくりを進め、社会増を確保することの二つを両輪として取り組むとした。
市の最上位計画「市基本構想2030」の後期計画となる第12次基本計画(令和8~12年度)案も示した。今後5年間で強化すべき分野横断的な四つの重視する視点として▽若者と女性の挑戦と定着を支える社会基盤の構築▽新たな価値を創出する多様な産業の振興―などを掲げた。脱炭素社会を推進する「ゼロカーボン」とデジタル技術を活用して業務効率化を目指す「DX・デジタル化」は重点戦略として継承する。
臥雲市長は「(後期計画は)松本市が持続的に成長し、市民が未来への希望を持てる都市であり続けるための指針」と述べた。



