塩尻・奈良井の「木曽の大橋」 大規模修繕へ 令和7、8年度 市が計画

塩尻市は奈良井区の奈良井川に架かる、木製の太鼓橋「木曽の大橋」(市道)の補修を令和8年度までの2カ年で計画している。2億円をかけて木曽ヒノキで造られた地元を象徴する橋だが、築造から34年が経過して床板や高欄が傷んでいることから、初めてとなる大がかりな修繕に着手し、長寿命化を図る。
木曽の大橋は、延長33メートル、幅6・5メートル、水面から橋中央部までの高さは7メートル。歩行者専用の「人道橋」だ。旧楢川村時代の平成3(1991)年3月に落成、当時のふるさと創生事業で総事業費1億9951万円をかけた。橋脚を持たない木製の橋としては貴重で、木を複雑に組んで曲線を描いた優美な姿を見せる。市は5年に1回の橋りょう点検で、木曽の大橋は令和5年度に実施し「早期の補修が必要」と判断した。
補修計画では床板を交換し、高欄がぐらつかないよう床板面との支柱を取り付ける。床板は「1枚板」から修繕がしやすい「3枚割」に変える。6%ある勾配を緩くするために階段を増やし、高欄の内側に手すりを付けるなどの工事を施す。
市は市議会12月定例会に提出した本年度一般会計補正予算案に、関連経費7000万円の債務負担行為を設定している。補修事業には1億円以上がかかる見通し。国の道路メンテナンス補助金(補助率55%)と起債を活用する。議会で可決されれば令和8年1月に工事発注し、工期は令和9年3月までとなる。
大橋を含む道の駅の維持管理費に年間200万円を要し、市は維持管理資金をインターネットで調達しようと、今月1日にクラウドファンディング型ふるさと納税の寄付金募集を始めた。来年2月末までの90日間で、目標金額を200万円(上限400万円)と定める。市建設課では「観光のシンボルの橋。将来に残すため協力してほしい」と呼び掛ける。



