中山の里山整備 地区一丸 持続可能な活動へ 住民有志が保全団体設立
2025/12/16
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所有者の高齢化などを背景に山林の荒廃が進む松本市中山地区で15日、住民有志を中心に里山整備を担う「なかやまキンタローの会」が発足した。山林や農地は、中山らしいのどかな景観と豊かな自然環境を構成する重要な要素で地域の宝だとして、地区を挙げて保全に取り組んでいく。
市の地域重点プロジェクト事業補助金で購入した機械類の講習会が中山公民館で開かれ、若手を含む約20人が参加。伐採木の枝をチップ化する粉砕機やまき割り機、木材運搬機などの取り扱いを体験しながら学んだ。
養蚕が盛んだった地区内には繁茂したクワの木が残るほか荒れた竹林も散見され、周囲に支障を来す例もあるという。地域づくりセンターには、高齢となり手に負えなくなった所有者から相談が寄せられていたこともあり、中山地域づくり協議会に新たな会を設けた。整備を通じて住民の連帯や若手育成を図り、地域活性化につなげることも狙う。
伐採した木材をまきとして販売するほか、依頼者に負担を求め、有償ボランティアとして持続可能な形を探っていく。年明けに活動拠点を整備し、春ごろから依頼を受ける計画だ。事務局長の鈴木幹夫・中山公民館長は「景観は共有の財産。荒れた山林などがきれいに整備され、地域づくりに若い力が発揮されていくきっかけとなれば」と願っている。




