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2025年

岡田小の児童たち栽培のネギ100本盗難 収穫直前で悲しみと怒り

2025/12/13
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 松本市の岡田小学校の畑で、4年生58人が育てていた「松本一本ねぎ」が収穫直前になくなったことが、12日までに分かった。180本植えたうち100本ほどが何者かに盗まれたとみられ、同校は松本警察署に被害届を出した。地元の農家に栽培の仕方を教わって大切に育ててきたネギがなくなり、児童たちは悲しみ、悔しがっている。
 畑は学校から北に約150メートル離れた県道近くにある。住宅などに囲まれ、市民農園(原農園)が隣接している。畑の前を通勤時に通る同校教諭によると、11月14日の金曜日にはまだ植わっていたが、週明けの17日に通った際、ごっそりとなくなっていた。出来の良いネギが選ばれてきれいに抜かれていた。
 10月から少しずつなくなっていたが、教員たちは始めは根張りが悪くて枯れてしまったのかと思っていた。隣の原農園も被害に遭っていたとみられ、野菜泥棒への怒りの立て看板があった。大根や他の学年が育てている野菜はなくなっていない。
 4年生は1人1本ずつ収穫したネギを持ち帰ったが、学校での調理実習で使う分が減った。児童たちはネギを守ろうと、「入るな」などと記した立て看板を作ったり、落とし穴を掘ったりして、下校後や休日に見張りもした。
 西組の男子児童は「何も言わずに取っていくのは格好悪い」と怒り、東組の男子児童は「料理する分が減ってしまった」と悲しむ。同校は「育てている人の気持ちを考えると盗難は切ない。児童は(今回の苦い経験も含めて)野菜作りを通し成長した。これからも栽培学習を大切にしていく」としている。

4年生がネギを育てていた畑(岡田小提供)