特定外来生物・アカボシゴマダラ、平地へ進出 穂高南小の児童が校内で越冬幼虫を発見
安曇野市の穂高南小学校1~5年生の8人が学ぶ「7組」の児童が12日、同校敷地内で、国が特定外来生物に指定している中国原産のチョウ・アカボシゴマダラの越冬幼虫を見つけた。安曇野市内では令和3年に初めて確認されて以降、東山や西山の山麓地域に進出しており、心配されていた平地への進出を裏付ける発見となった。

市内の屋敷林や社寺林などには幼虫の食樹であるエノキが少なからずあるため、三郷昆虫クラブ世話人の那須野雅好さんは「平地に進出するのではないかと思っていた矢先の発見。今後、身近な存在になっていくのではないか」と語る。
7組は、授業「自立活動」で毎日5時間目に学校敷地内で昆虫採集をする昆虫教育を取り入れている。これまでにチョウ44種、トンボ15種などを確認しており、近縁種の小さな違いも見分ける“昆虫博士”の児童を中心として主体的に興味・関心を広げている。
アカボシゴマダラは今年初めて同校で成虫が確認され、授業に協力している那須野さんの手ほどきで標本にもした。12日は那須野さんが来校し、校内の樹木にも詳しい児童の案内で西側の土手際に自生しているエノキの根元で落ち葉を確認したところ、2匹の越冬幼虫が見つかった。
共にチョウが好きだという、4年生の堀口快晴君は「きれいなのがいっぱいいるから好き」と話し、3年生の松澤葉大君は「たくさん種類があってきれいだし好き」と目をきらきらさせていた。担任の一人の等々力さつき教諭は「本当に詳しくてどんどんすごくなっていく」と子供たちのエネルギーと成長に圧倒されていた。那須野さんは「普段から興味や関心がないとできないこと」と貴重な発見をたたえていた。
7組はこれまでに見つけた昆虫を図鑑にまとめる予定。発見した越冬幼虫は特定外来生物で移動が禁止されており、行政の指導を仰ぎながら飼育・観察することにしている。



