旧制松高出身の作家・北杜夫さん生誕100年展へ 松本市立博物館で令和9年に
2025/12/12
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松本市は、旧制松本高等学校出身で青春時代を松本で謳歌した作家・北杜夫さんの生誕100年を記念する特別展を、節目になる令和9年に市立博物館で開催することを計画している。平成23(2011)年に84歳で逝去した北さんの遺品約2000点が令和3年度に市に寄贈されており、未公開資料も公開して、人物像と作品世界を紹介できる展示構成とする。
北さんの関連資料は、あがたの森にある旧制高等学校記念館に常設展示され、書斎が再現されている。逝去後に寄贈された資料は写真、直筆書、作家仲間から寄贈されたサイン本、海外旅行で収集したスプーンなどがある。
特に、北さんが強い関心を寄せていた「昆虫」は、人物像に迫る上で欠くことのできない重要な要素だとし、収集した昆虫標本も展示して文学と自然科学の両面から魅力に触れられる内容とする。展示物を多数紹介できることから、市立博物館での開催を計画する。
市議会12月定例会の一般質問で、上條温氏(開明)が取り上げた。臥雲義尚市長は「作品と資料を通じて文学的功績をあらためて顕彰し、人物像と松本との結びつきを幅広く紹介することは、市の文化振興にとって意義深い取り組み」と開催に意欲を示した。
上條氏は、4年後に100歳を迎える松本出身の前衛芸術家・草間彌生さんの特別展の開催も提案した。臥雲市長は、世界的に高い評価を受ける草間さんの特別展開催は「市のブランド力、国際発信力を高める上でも極めて意義がある」と指摘。草間さん側の承諾と協力が不可欠で、意向を確認しながら調整を進める。




