区の要望をスマホで手軽に 塩尻市が8年度の運用開始目指す
2025/12/12
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道路整備や鳥獣被害対策などについて、塩尻市内66区の区が市に寄せる要望を、スマートフォン(スマホ)経由で受け付けるシステムを市が作っている。書類を整える負担が大きいという声が区長や区長経験者に多く、より簡単に作業できるようにする。市独自に構築する「ゼロ予算」で、令和8年度の運用開始を目指している。

スマホのインターネット閲覧ソフト(ウェブブラウザー)上で使える。要望の新規提出と、要望一覧の確認の機能がある。
新規提出の画面には、要望年度や道路の舗装、側溝整備などを挙げる区分、優先順位、どうしてほしいかを記入する欄がある。現場の地点を画面上の地図で示せるほか、写真の位置情報で自動的に伝えることもできる。要望一覧の画面では、自身の区の要望を過去を含めて見られ、市の対応の進み具合も確認できる。
市は毎年、各区の要望を受け付け、対応できることを翌年度の予算に反映している。区長が取りまとめ役だが、紙ベースの従来のやり方だと、市の定めた形式で書類を作り、現場の写真を添えるほか、路線名などを確認する手間がかかる。区長が交代する際には、過去の要望内容の資料を引き継ぐ必要もある。
システムは市地域づくり課とデジタル戦略課が連携して作っている。令和9年度分の要望受け付けからの運用を目指し、8年度分の要望内容も確認できるようにする。市区長会理事会などで試作版を紹介しており、ある地区では各種機能が好評で早期運用を求める声が上がった。一方、当面は紙ベースでの受け付けも続ける。
市が令和4年度に、区長や区長経験者199人を対象に行ったアンケートでは要望の作業が、負担の大きい区長業務の上位に挙がった。地域づくり課は「システムの活用は、区長の負担軽減につながる」と説明している。



