働く世代の健康意識向上へ 木祖村で企業と連携、職場で出張講座
2025/12/09
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高齢化が進み、生活習慣病の予防が地域の課題となる中、木祖村は住民の健康づくりに向けた新たな取り組みとして「働く人のミニ健康食生活講座」を始めた。日々の食事を見直すことで、働く世代を含む幅広い層に健康意識を広げる狙いがあり、村内企業と連携して職場での出張講座を展開させる。

初回は11月、村内の製薬会社・日野製薬(石黒和佳子社長)で実施。朝の時間帯を活用し、村住民福祉課の管理栄養士・田中みほさんが講師を務めた。参加した社員らは「塩分チェックシート」で自身の摂取量を確認し、加工食品に含まれる塩分や適正な摂取量について学んだ。
講座では、塩分濃度0.8%の「適塩みそ汁」の試飲も行われ、参加者は実際の味を確かめた。石黒社長は「企業に足を運んでいただける講座は、健康に目を向ける貴重な機会。ありがたい」と話した。
村では、脳血管疾患による死亡率や40~64歳の要介護認定率が郡・県平均より高く、主な要因とされる高血圧の予防が課題となっている。これまでの健康教室に加え、企業と連携した出張型の講座を新たに展開することで、現役世代へのアプローチを強化したい考えだ。
この取り組みは、今年3月に策定された村の第3次健康福祉計画にも位置づけられており、今後は他企業への拡大も予定。安全大会など既存の社内イベントと連動した健康教育も検討しており、田中さんは「現役で働く人たちに、早めに健康意識を持ってもらうきっかけになれば」と話している。



