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2025年

筑北の田中さん夫妻 地域の居場所を建設中

2025/12/09
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 筑北村坂北中村の田中俊行さん(72)、善子さん夫妻が、自宅南隣に幅広い年代が交流できる民間コミュニティースペースの建設を進めている。日中は地域住民や移住者、高齢者が気軽に立ち寄って茶飲み話が楽しめる「寄り合い所」となり、放課後は下校した子供たちが勉強に集中して励める「学びの場」となる建物で、来年3月中旬のプレオープンを目指す。長年、学校教育に関わった夫妻は「住民・子供の新たな居場所となれば」と意欲を見せる。

 田中さん夫妻が「Tプロジェクト」と銘打つ木造平屋約28平方メートルの建物で、旧善光寺街道に面しており、屋内のフリースペースと屋外のウッドデッキで構成された開放感ある空間を目指している。
 田中さん夫妻は、平成29(2017)年に大阪府から村へ移住した。俊行さんは長年、府内の公立小学校で教諭として勤務した。善子さんも講師として家庭科を教えたほか、放課後学習の支援に取り組み、村へ移住後は筑北小学校でも家庭科を指導した経験がある。
 田中さん夫妻は移住後、誰かが常に見守って相談にも応じられる環境で、子供たちの学びの場を提供できないかを考え、地域住民の交流の場も兼ねて整備しようと思い立った。村と東京都の2拠点で活動する元地域おこし協力隊員の村集落支援員・飯塚るり子さんが夫とともに営む1級建築士事務所「アトリエオイカワイイヅカ」(東京都)へ設計などを相談した。
 俊行さんは「子供がしっかり学べる環境と、住民・移住者が気楽に立ち寄れる環境をそれぞれ整え、親身にサポートする。そんな〝おせっかい〟ができれば」と話している。

自宅南側の旧善光寺街道沿いで、学びと交流の場を建設中の田中さん夫妻(左)と飯塚さん