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2025年

安曇野市議会、太田市長を哀悼 市長選を見据え、一般質問一部取り下げも

2025/12/06
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 安曇野市の太田寛市長が死去して最初の市議会本会議となる12月定例会代表質問と一般質問が5日、行われた。全員で黙とうをささげてしめやかに始まり、議員の質問や市側の答弁では亡き太田市長の思いに触れる場面があった。一方で、来月の市長選(1月11日告示、18日投開票)によるリーダー交代を見据え、質問内容を一部取り下げる動きも見られた。

太田市長の冥福を祈り黙とうをささげる議員や市職員幹部

 直近の本会議は定例会開会日の11月27日。太田市長は開会あいさつを述べた翌日に死去した。議場の市長席には白い花束が置かれ、増田望三郎議長は冒頭「誠に痛惜の念に堪えず、また哀悼の極みだ」と述べ、議場の全員に黙とうを呼びかけた。
 質問席に立った議員は「残念です。悔しくて涙がこぼれる」「市民の声に丁寧に耳を傾け、まちづくりに真摯に取り組んだ功績に敬意を表する」などと、質問に先立ち哀悼の意を表した。
 市長答弁は、市長職務代理者の中山栄樹副市長が行った。景観保全に関する質問では、太田市長が公約に掲げた「世界農業遺産への登録」に言及。「市長の強い思いだったので、多くの皆さんの意見を聞きながら進めたい」。観光振興については「市長の強い思いであったフィルムコミッション(映像ロケ誘致)の機能強化を積極的に図りたい」と、故人の遺志を継いで取り組む考えを示した。
 ただ、中山副市長の任期は12月末まで。来月の市長選後は新市長の考えの下で市政が進められるため、中長期的な施政方針は答えにくい。そのため一般質問を行う予定だった議員のうち1人は登壇を中止。5日に一般質問した議員の一部は「次期市長にあらためて伺う」として一部の質問テーマを取り下げた。