0000日(木)
2025年

描く情熱衰えず 信州まんが協団が32年ぶりに同人誌刊行

2025/12/05
後で読む

 県内の漫画家有志で昭和54(1979)年に設立した「信州まんが協団」が9日、同人誌「信州マンガライフ11号」を発売する。前号は平成5(1993)年の発行で実に32年ぶりの最新号だ。心温まる家族の物語のほか、ユーモアたっぷりの風刺漫画など、9人の10作品を掲載する。メンバーは「損得勘定を抜きにした“描きたい”という情熱を感じてほしい」と願っている。

バックナンバーを前に最新号を紹介する北原さん(右)と下川さん

 A5判の104ページ。定年を迎えた男性が偶然目にした花に心を奪われる「花とおじさん『追跡者』」のほか、国際政治から松本市政まで、幅広い時事ネタを皮肉の効いた文章と風刺画でつづる「漫亭白夢」など、作者の個性が光る。
 協団は設立当初、高校生から60代までの30人以上が在籍していた。設立翌年に同誌の創刊号を発行し、プロからアマチュアまで幅広い漫画家が思いを表現する場として続いていた。ただ、メンバーのライフステージの変化によって徐々に発行頻度が減少。10号を最後に途絶えていた。
 最新号は今年3月、メンバーの一人が協団の共同代表の北原敬久さん(77)=松本市=に声をかけたのがきっかけで制作が始まった。北原さんが約10人のメンバーに呼び掛けるとすぐに寄稿者が集まり、制作期間約8カ月で発行にこぎ着けた。刊が途絶えている間にデジタル化が進んだことから編集には困難も伴った。一方で、描画にタブレット端末を用いたり、撮影した画像をAI(人工知能)で絵画風にして表紙絵に用いたりするなど、最新技術も積極的に取り入れ「時代に挑戦した」という。
 同じく共同代表の下川善司さん(76)=大町市=は「文化は一部の人のものではない」と力を込め「埋もれた作品が光を生み出すこともある。若い人の希望になるといい」と願っている。
 定価1500円(税別)で1200部を発行する。大型書店やインターネットで販売する。