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2025年

ほりでーゆ~四季の郷副料理長 等々力賢哉さん厚労相表彰 日本料理30年 後進を育成

2025/12/04
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 安曇野市堀金烏川の宿泊温泉入浴施設・ほりでーゆ~四季の郷で副料理長を務め、日本料理が専門の調理師・等々力賢哉さん(53)=穂高=が、厚生労働大臣表彰を受けた。全国で73人が対象となった「調理業務功労者」に選ばれた。30年以上にわたって第一線で調理業務に当たっており、指導的な立場でも功績を重ねていると評価された。
 穂高中学校(当時)から松商学園高校を経て、東京調理師専門学校(同)で学んだ。高校生時代のアルバイトで飲食の現場に触れ、調理の仕事の魅力を感じた。「日本で見いだされた味覚である「うまみ」をベースに、包丁の技術を存分に振るえる」と考え、日本料理の道に進んだ。
 都内での就職を皮切りに、かっぽう料理店や会員制の料亭、宿泊施設の飲食部門など幅広い現場を経験した。「与えられた仕事をこなしてきただけだが、毎日が修業と思っている」と振り返る。現職には昨年4月に就いた。
 所属する安曇野調理師会などの事業に参加し、後進に実践的な技能を教える初任者セミナーに加わったり、県調理師会の料理コンクールで入賞したりと、職場以外での活動も広げてきた。安曇野市の小学校で行われている「味覚の授業」では、子供たちに食文化の奥深さを伝えている。日本技能調理士協会の会員でもある。
 11月25日に東京都千代田区で表彰式があった。表彰を「栄誉あることで、光栄に思う。このように評価されて恐縮している」と受け止める。
 「料理が好きで、楽しく仕事をしてきた。お客さまが『おいしい、感動した』とおっしゃると、素直にうれしい」という気持ちを大切にする。これまでに出会った先輩や同僚の協力、家族の支えに強い感謝の気持ちを抱きつつ「日本料理を通じた地域貢献に尽くしたい」と考えている。

表彰状を手に今後の仕事への決意を語る等々力さん