山形・唐沢のかんがい設備更新へ 波田に新配水池、現地で安全祈願
2025/11/28
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山形村唐沢地区の畑のかんがい設備を更新、新設する「県営唐沢地区畑地帯総合土地改良事業」の安全祈願祭と起工式が27日、新たに配水池を設ける松本市波田の現地で行われた。地元でつくる同事業実行委員会や村、県、かんがい施設を管理する県中信平右岸土地改良区、施工業者など25人ほどが参加し、工事の無事を祈った。
村内に四つある畑かんがい地区の設備更新事業としては最後で、同実行委員会の百瀬泰久委員長(78)=下竹田=は「昭和40年代初めに敷設された送水設備の故障に悩まされてきた」とし、更新事業を農業者の高齢化や耕作放棄地の増加といった課題解決にもつなげたい考えを示した。百瀬繁寿村長も「かんがい施設は水の少ない村にとって生命線。次の世代に引き継ぐことが責務」と力を込めた。
事業の受益面積は34・7ヘクタールで、長さ計13・7キロの管路を石綿管から塩化ビニールパイプ管に更新する。現在の唐沢配水池の隣に揚水ポンプを設置し、松本市波田に新設する「唐沢上部配水池」まで一気に送水。配水池と農地の高低差で必要な水圧を確保し、上部エリアへ安定して送水できるようにする。唐沢配水池からは引き続き下部エリアに送水する。管路の更新と高低差を利用した自然圧により、安定した送水が可能になるという。合わせて各畑のスプリンクラーのバルブも付け替える。
令和5年度に事業採択されてから関係者で打ち合わせを重ね、起工にこぎ着けた。事業完了は10年度末を予定している。事業費は10億3200万円で、負担割合は国が50%、県が27・5%、村と地元がそれぞれ11・25%となっている。




