新松本市立病院 開業先送り 当初は10年3月末 基本計画見直しで
2025/11/27
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松本市立病院(波田)が、令和10年3月末開業を目指して建設計画を進めている新病院の完成時期が遅れる可能性が高まった。今年4月に発生した医療事故によって産科の分娩(お産)機能の廃止が決まり、新病院の基本計画を見直すことになり、来年3月末まで建設計画の進行がいったんストップする。市病院局は開業時期を明らかにしていないが、現状からは先送りになる見通しだ。
26日に開かれた市議会病院建設特別委員会に基本計画の見直しが示され、了承された。
市内の病院長や医師会長、県と市の幹部ら6人で構成する「市立病院建設基本計画見直し検討委員会(仮称)」を近く立ち上げ、来年3月末をめどに計画見直しを進めていく。市病院局は見直しの理由について▽分娩機能の廃止に伴い、基本計画に示す地域における役割や診療機能に変更が生じた▽新たな地域医療構想の策定と、医療制度改正が近く予想される―と説明した。
特別委で委員からは「病院建設がまったく前に進んでいないのが現状で、市民も疑問に思っている」との声が上がった。北野喜良病院事業管理者は「医療情勢が変化する中、将来、永続的に医療を提供でき地域医療の核になる病院にするため、一度立ち止まって検討する」と答えた。
新病院建設は基本設計が完了し、本年度に実施設計に入っていた。ただ、10月に分娩機能の廃止が決まり、基本計画の見直しに迫られた。建設予定地の波田中央運動広場は照明設備やフェンスが解体されるなど建設に向けた準備は進むが、計画自体の進行が遅れている。臥雲義尚市長は26日の定例記者会見で開業時期の遅れについて「重く受け止め、市民に納得してもらえる病院の建設に取り組む」と述べた。




