奈川の伝統野菜・保平カブ 収穫を機械で効率化、農地守る
2025/11/26
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松本市奈川のNPO法人あぐり奈川(田中浩二理事長)などは今季、奈川地区特産の伝統野菜・保平カブの収穫を機械化する取り組みを始めた。農家の高齢化や後継者不足を乗り越え、特産品で地域の活性化を図りたい考えだ。
国内大手農機メーカー製の大根収穫機(25馬力)を活用している。オペレーター1人と選別作業者2人で作業をする。前方の掘り出し部で抜き取ったカブをベルトコンベヤーで後方に送り、葉や茎を切断。選別台で形を整え、フレコンバッグにカブを詰める。手収穫だと1日当たり4アールを6人がかりで作業していたが、機械化により10アールを3人で収穫でき、4倍以上能率が向上した。
25日は雨の中、地区内の農業・南大和さん(35)がオペレーターとなり、掘り出し部の高さを慎重に調節しながら収穫作業をした。南さんは「高齢化が進む中で力仕事を機械化できるのはメリット」と効果を実感していた。
田中理事長が社長を務める企業「奈川未来づくり」が、国のスマート農業総合推進対策事業の補助金などを活用し約800万円で購入した。同社が収穫作業を受託する形で、あぐり奈川や地区内の農家が育てたカブの収穫を行う。田中理事長によると、カブ収穫で利用するのは県内初。
収穫したカブは塩尻市内の業者が加工し、甘酢漬けとして、年末から県内のスーパーに並ぶ予定だ。田中理事長は「耕作放棄地の受け皿となる作物にして奈川の農地を守りたい」と話していた。



