時代行列、宿場町を行く 南木曽・妻籠宿にぎわう
2025/11/24
後で読む
伝統的な町並みが保存されている南木曽町吾妻の妻籠宿周辺で23日、恒例の時代行列「文化文政風俗絵巻之行列」が開かれた。江戸時代の装いをした住民ら110人が練り歩き、旧中山道の宿場としてにぎわった往時を再現した。

町民や飛脚、武士など多様な役でつくる列は、渡島総合グラウンドを出発し、妻籠宿を通って大妻籠に向かう約3.5キロの道のりを歩いた。宿場では、国内外の大勢の観光客が見守る中、太鼓や唄をにぎやかに響かせて進み活気にあふれた。主催する住民団体・妻籠を愛する会によると約1万人が訪れた。
最も注目を集める「花嫁」役は、南木曽で育った緒方萌水さん(29)=東京都=が務めた。3月に入籍した夫・晋也さん(32)が花婿役で、実際の夫婦2人が行列を盛り上げた。萌水さんの祖父は行列で配布される瓦版を長年手掛けているなどの縁があり「地域の一大行事に参加できてうれしいし、花嫁姿を親族に見せられて良かった」とほほ笑んだ。
行列は昭和43(1968)年、妻籠の町並み保存事業開始をきっかけに始まり58回目。愛する会の藤原義則理事長は「妻籠を守り、誇りに思う気持ちを再確認する機会にもなれば」と話した。



