屋敷林の維持へ落ち葉拾い 安曇野の民家 管理の苦労を市民ら体感
2025/11/23
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安曇野の田園風景を構成する要素の一つ、屋敷林の保全に取り組む安曇野市の市民団体・屋敷林と歴史的まちなみプロジェクトは3連休初日の22日、同市豊科南穂高の民家の屋敷林で、落ち葉拾いのボランティア活動を行った。会員や一般市民ら25人が参加し、屋敷林を管理する所有者の苦労を身をもって体験した。
作業したのは、安曇野スイス村サンモリッツ西側にある丸山武人さん(81)宅。広い敷地にケヤキやイチョウなどの大木が20本近くある。会員のほか、大学生、市職員、障害福祉施設の利用者などが手分けをして、地面にたまった落ち葉を熊手やほうきで丁寧にかき集めて袋に詰めた。
約1時間半の作業で集めた落ち葉の量は120リットル入りの袋で約70袋分。地域貢献のために参加したという大町市の銀行員の女性(23)は「すごい量。屋敷林を維持していくのは大変」と驚いていた。
丸山さんは妻と2人暮らしで、かつては管理の大変さに伐採を考えたこともあった。しかし、安曇野の観光ポスターに丸山さん宅の屋敷林が取り上げられ「簡単には切れない」と思いとどまった。見学や写生に訪れる観光客の姿もあるといい「安曇野らしさが風景として残るのは大事なこと。老骨にむち打って頑張ろうと思う。支援は本当にありがたい」と感謝した。
同プロジェクトは、所有者の高齢化などで管理に悩む各地の屋敷林の落ち葉拾いを10年以上続けている。リーダーの建築士・場々洋介さん(72)は「作業は1年に1回だが、需要があれば増やしたい」と話していた。集めた落ち葉は11月末まで丸山さん宅にあり、たい肥を作りたい人に無料で提供する。




