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2025年

塩尻・宗賀小の復元住居 6年1組が修繕へ 屋根材のススキ刈り取り

2025/11/22
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屋根の修繕に使うススキを刈り取る児童たち
平成3年度に造られた復元住居

 塩尻市の宗賀小学校6年1組31人は本年度、学校にある古代の復元住居の修繕に取り組む。平成3(1991)年度の同校卒業生と保護者が卒業記念で造った竪穴住居で、保護者有志の会が管理を続けていたが、会員の高齢化などで維持が難しい状況になっている。児童らは造った人や会員らの思いを聞き、補修に挑戦することにした。21日は会の有志らと地元の山間地を訪れて、かやぶき屋根の材料となるススキを刈り取った。
 宗賀床尾の畑で所有者の許可を得て、高さ2メートルほどのススキを鎌で刈った。1束が直径25~30センチになる量を縄で束ね、30束を収穫。トラック2台で学校に運んでもらった。ススキを干して乾かし、不要な葉を取り除く。12月にかやぶき職人に手ほどきを受け、屋根の修繕を体験する。
 児童らは、復元住居が経年劣化しているため、直すか取り壊すかを話し合った。保護者有志の会「夢の家・すがのを守る会」に造った経緯や維持管理に込める思いを聞き、修繕すると決めた。中原舞夏さん(12)は「住居を造った人の気持ちを知った。ぼろぼろの住居をきれいにしたい」と話す。杉本晄聖君(11)も「カヤ(ススキ)を新しく換えて、きれいな復元住居をみんなに知ってもらいたい」と意気込む。
 会によると、宗賀に平出遺跡があることにちなみ、卒業記念に親子が共同作業で復元住居を造った。以後三十数年にわたり会員らが周辺の草取りや屋根の補修など保全を続けた。補修には大量のカヤが必要だが調達が難しく、市内外の人に声を掛け、40カ所ほど探し回って入手してきた。会員は14人で、高齢化や人手不足に伴い、数年前に学校に復元住居の管理を依頼した。
 この日の刈り取り作業は会員4人が長年の経験を生かし、児童に教えた。当時のPTA学年会長で会代表の青栁陸雄さん(77)=宗賀=は「自分たちの孫の世代になる6年生が住居を直すために頑張ってくれている」と喜んでいた。

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