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2025年

松本でレモン試験栽培、初収穫 温暖化を逆手、島内の3人がハウス活用

2025/11/19
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 松本市島内の農事組合法人小宮アルプスの副代表・髙山潔さん(80)ら農業仲間3人が、温暖化を逆手にとってレモンの試験栽培を進めている。大小二つのビニールハウスを重ねて建て、室内を加温せずに4種類のレモンの木11本を育てており、2年目の今年は1種類の3本に初めて約40個の実がなった。髙山さんは「仲間を増やすためにも栽培方法を確立したい」と意欲を見せる。

島内のハウス内で実ったレモンを見る髙山さん
島内のハウス内で実ったレモンを見る髙山さん

 レモンは寒さに弱いものの、氷点下2度くらいまでは耐えられるというところに着目し、昨夏に2種類6本を植えた。寒さに強くて育てやすい品種を調べるため、今年に入ってさらに2種類の苗木を追加。ハウス内だと木を高く育てられないため、九州のマンゴーのハウス栽培で行われている低木に仕立てる方法を取り入れた。
 今年4月に咲いた花が実になった。まだ黄色になる前の緑色だが、スーパーマーケットの店頭に並んでいるレモンと遜色のない大きさがある。試食したところ、香りが強いという。髙山さんは「使われていない育苗ハウスが各地にたくさん見られる。それを活用すればレモン栽培ができるのではないか」とし、今後の広がりに期待する。
 県南信農業試験場(下伊那郡高森町)や県野菜花き試験場(塩尻市)によると、上伊那郡中川村や高森町などでレモンのハウス栽培が行われているが、中信地区ではまだ珍しい。温暖化の影響で県内でもレモンを作りやすい環境になってきており、南信農業試験場は昨年3月に栽培を始めた。寒すぎると木の上部から枯れてしまうが、標高700メートルまではハウス栽培でレモンが越冬できたという。

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