松本駅の名物アナウンス終了 乗客ら聞き納め
2025/11/17
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松本市のJR松本駅の構内で、電車の到着時に流れる「まつもと~、まつもと~」の郷愁を誘う自動音声の放送が16日に終了した。設備の老朽化に伴い17日から自動放送が別の音声に切り替えられる。放送最終日に松本駅を訪れた人たちからは、名物の音声が聞けなくなることを惜しむ声が聞かれた。
松本駅の自動放送の音声は、昭和60(1985)年ごろに登場した。声優の沢田敏子さんが吹き込んだ音声が、松本駅に到着した市民や観光客を温かく迎えてきた。最終日に埼玉県から仕事で松本市に出張してきた伊藤哲さん(42)は「ホームで音声を録音している人が大勢いた。最後に聞けて得した気分になった」と話した。長野市の長野Uスタジアムで同日行われたサッカーJ3松本山雅FCの試合観戦で篠ノ井線を利用した西條春美さん(65)=松本市渚2=は「いつも聞いていたので寂しい気持ち」と話していた。
沢田さんの音声は著作権の関係もあり、今のところ再利用の予定はない。JR東日本長野支社広報室は「コストや制作工期などの観点から制作メーカーごとに統一化された音声を使用することを理解してほしい」としている。



