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2025年

若者たちが平和の道しるべ共有 松本で平和学習活動報告会

2025/11/17
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鹿児島平和学習について発表する高校生や大学生

 戦後80年の節目に、広島県や鹿児島県に出向いて平和の現地学習に臨んだ若者たちの発表会「平和活動報告会」が16日、松本市中央1のMウイングで開かれた。太平洋戦争末期に特攻作戦の基地となった鹿児島県・知覧や、原爆が投下された広島を訪れた中学生や高校生、大学生が見て聞いて、感じ考えたことを報告し、平和の道しるべとして共有した。

 松本市と松本青年会議所が主催。両機関が10月に実施した鹿児島平和学習訪問事業の参加者は、特攻作戦を学んだ経験を発表した。
 松本美須々ケ丘高1年生の平林祐人さんは、戦争の英雄とは多くの命を傷付けた人でもあると語った現地ガイドの言葉を紹介。勇ましさとは裏腹の負の側面に「言葉に表せない思いを感じた」と話した。松本深志高1年生の吉長慧悟さんは、未来ある若者が特攻に送られた背景を問い続けているとし「再び軍事国家にならないよう政府をしっかり見ていくことが大切。選挙権を得たら平和を守るリーダーを選びたい」と語った。
 パネルディスカッションもあった。近現代史研究家の大日方悦夫さん=長野市=は特攻の遺書について「本当のところはどうなのかを見る必要がある。美談だけで済ませてはならない」と指摘。現地学習の重要性に言及した上で「ただし感じたことが全てではない。平和や戦争の問題はフィーリングだけではなく、正しい知識を持って本質を捉えることが大切だ」と呼び掛けた。
 「過去から未来へ~平和が紡ぐ子どもの権利フォーラム」の一環に位置づけ、前半では松本子どもの権利の日市民フォーラムもあった。

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