人権尊重へプレート新調 貞享義民記念館 世界人権宣言・日本国憲法の精神発信
2025/11/15
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安曇野市三郷明盛の貞享義民記念館は、正面玄関の両脇に設置している、世界人権宣言と日本国憲法を紹介するプレートを新しくした。風雨に長年さらされて老朽化していたためで、人権尊重の精神を広く啓発する博物館としての役割をあらためて示している。
世界人権宣言は第1条を掲載。「すべての人間は生まれながらにして自由であり、かつ尊厳と権利とについて平等である。人間は理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない」と書かれている。日本国憲法は「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない」などとする第11条と第12条を紹介している。英訳が付記されている。
義民記念館は、江戸時代の貞享3(1686)年に松本藩で発生した貞享騒動(農民一揆)の顕彰や調査研究などをしている。過酷な年貢に苦しむ農民を救おうと多田加助らが主導し、子供を含む28人が処刑された。生存権や人権平等などの象徴的な出来事として捉えられている。
正面玄関に世界人権宣言や日本国憲法の紹介プレートが設置してある博物館は珍しいらしく、特に県外からの来館者の中には感動する人もいるという。寺島俊郎館長は「人権を無視するような方向に世の中が進んでいるように感じる。世界人権宣言や日本国憲法についてあらためて知ってほしい」と願う。

新しくなったプレート



