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2025年

能登の復興支援 アートで 七尾市出身の大橋文男さん 節郎館に空間作品展示 義援金募る

2025/11/14
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 能登半島で昨年起きた震災と大雨被害からの復興を支援する作品展が12月14日まで、安曇野市穂高北穂高の安曇野髙橋節郎記念美術館で開かれている。石川県七尾市出身の現代美術作家・大橋文男さん=埼玉県=が、普段公開されていない屋上テラスを活用し、自作の陶芸作品約300点や壁画などで空間を構成するインスタレーション(空間芸術)を制作展開している。
 同美術館内に義援金を募る募金箱を設置しており、全額を被災地に寄付する。大橋さんは「復興は全然進んでいない。人口もかなり減っている。震災で風景が一変し、さらにその後の大雨被害で風景が全く変わってしまった」と説明する。
 屋上テラスに並べた陶芸作品は手のひらサイズで、同市穂高の穂高陶芸会館に約3カ月間通って制作した。初期衝動を大切に、手が動くままに作陶したという。一つ一つは何かに似ているようで何にも似ていない。大橋さんは「蓄積した経験値を取り払い、太古とのつながりも意識しながら気持ちの赴くままに作った」と語る。
 空間作品としては現在も制作中で、今後は屋上テラスの北側(能登半島方面)に小屋を置き、能登半島の海辺に打ち上がった漁網のロープを使った作品を配置する予定。扉を開けると、能登半島につながるイメージの仕掛けを考えている。
 大橋さんは、安曇野市と連携アートプロジェクトを展開している京都芸術大学の大学院教授も務めており、安曇野では穂高有明を拠点に活動している。大橋さんは「この縁を生かしたい。(能登半島を)ときどき意識してほしい」と願う。
 観覧料は常設展(410円、中学生以下無料)に含まれる。

展示作品と大橋さん

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