筑北の2カ所の忠魂碑 撤去前に拓本保存 戦争関連資料で後世へ
2025/11/13
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筑北村が、村遺族会の高齢化などに伴い、本年度に解体・撤去を予定している本城・坂北両地域の忠魂碑の碑文が、近く碑文を写し取る拓本によって記録されることになった。村歴史民俗資料館長で文化財調査保護委員の山崎洋文さん(69)=東条=が自ら申し出て、戦争に関わる貴重な資料が将来へ受け継がれることになった。
山崎さんは26日、高さが5~6メートルある両忠魂碑で採拓作業を行う。村の発注で解体工事を請け負う関川組(西条)も協力し、高所作業車や足場を用意する。
12日、山崎さんは関川組専務の関川貞二さん(55)、技術担当・若林玲さん(27)と打ち合わせ、両忠魂碑前で安全祈願祭もした。生島足島神社(上田市)の宮司でもある山崎さんが神事を執り行い、一連の作業と工事の安全を祈願した。
山崎さんは「碑文に刻まれた文字の詳細や揮毫した人の筆遣いは、写真ではなかなか詳細に記録できず、拓本でなければならないと考えた」と語り「本格的な拓本は若い頃の学芸員研修時以来だが、記録を残したい」と話していた。
解体工事は12月1日にも始まり、年明け以降に新たな慰霊碑が建立される。関川さんは「長い歴史がある忠魂碑だ。戦没者とその遺族の思いに寄り添いつつ、安全に解体したい」と話していた。




