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2025年

宮田前踏切通行止めの混乱少なく 工事期間10年 周辺道路に与える影響に不安の声も

2025/11/12
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 松本市のJR南松本駅南側にある宮田前踏切が立体化工事で通行止めとなって10日余りが過ぎた。迂回路として利用を呼び掛ける南松本駅北側の「やまびこ道路」や周辺の道路では目立った混乱はなく、県や市に苦情はほとんど寄せられていない。ただ、踏切近くの商業施設や公共施設に行きづらくなった地域もあり、10年間の工事期間が周辺の道路に与える影響を不安視する声もある。
 「当初は迂回路がすごく混むと不安だったが、思ったより影響は出ていない」。南松本駅南側踏切立体化事業促進連絡協議会会長の中田景文さん(74)=松本市双葉=は胸をなでおろした。踏切の通行止めが周知され、複数ある迂回路に分散されたと推測する。
 一方、通勤路としてやまびこ道路を利用する近くの会社員の男性(36)は「工期が10年というのはあまりに長い。周辺道路の混雑が長期間、当たり前になったら嫌だ」と心配する。
 踏切は10月31日夜に封鎖され、車両を通行止めにした。県と市は南松本駅北側の東西方向の「やまびこ道路」や、南側の国道19号「平田交差点」などを迂回路として利用するよう呼び掛け、周辺に看板を設置した。
 市公共交通課によると、踏切西側の市道を通る市内路線バスの南部循環線と南松本・山形線のダイヤに乱れは生じなかった。
 一方で、やまびこ道路は踏切が通行止めになる前から平日の朝夕を中心に渋滞が頻発している。県松本建設事務所の担当者は「踏切が通行止めになった影響がどの程度出ているか、分かりにくい状況にある」と話す。
 市は周辺の企業に時差出勤や出勤に車を使わない「ノーマイカーデー」の実施を呼び掛け、やまびこ道路の渋滞対策に取り組む。県松本建設事務所は周辺道路も含め、今後の交通量の変化を注視していくとしている。

ガードレールで閉鎖された宮田前踏切。手前は迂回路

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