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2025年

96歳 雑巾作り張り合い 塩尻の甲斐澤濱子さん

2025/11/08
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デイサービスセンターで雑巾を作る甲斐澤さん
ふれあいセンター広丘に設けられた雑巾の販売コーナー

 塩尻市広丘原新田の甲斐澤濱子さん(96)は、裁縫が趣味で、タオルを縫って雑巾を作り続けている。認知症だが、目がよく見えていて針の穴に簡単に糸を通すことができ、おしゃべりを楽しみながらの針仕事はお手の物だ。利用するデイサービスセンターに雑巾を譲り、「使って喜んでもらえる」と張り合いを持っている。
 自宅や、デイサービスセンター・つくしの郷(塩尻市広丘堅石)で作っている。タオルを半分に切って、雑巾2枚分の生地を取る。手早く拭くにも、手でもんで洗うのにもちょうどいいサイズの雑巾ができるという。布をまち針でしっかりと留めて真っすぐきれいに縫い進めていく。「縫い物が得意だから、針仕事はやだかねえ(嫌ではない)」と笑う。
 デイサービスセンターには週4、5日通い、雑巾は一日1枚か2枚を作る。自分でできる身の回りのことは進んで行い、食事もしっかりする。歌や踊りが好きで、「炭坑節」の曲が流れると体が自然に動き出す。他の利用者や職員との会話を楽しむことが、元気でいられる秘けつだという。 デイサービスセンターの隣のふれあいセンター広丘に、甲斐澤さんの家族の依頼で、雑巾の販売コーナーが新設された。甲斐澤さんの似顔絵や、「96才 おばあちゃんの手ぬいぞうきん」「認知症でもがんばってます」と書かれたポップが目を引く。1枚100円(税込み)で、売上金はタオルの購入費に充てるという。
 甲斐澤さんは「雑巾があれば、どこでも拭けて都合がいい。使ってもらえるといい」と話している。