0000日(木)
2025年

戦争の体験談と資料を紹介 豊科郷土博物館で30日まで 調査した友の会が展覧会

2025/11/08
後で読む

 戦後80年の節目に、安曇野市豊科郷土博物館友の会戦時生活部(臼井泰彦部長)が行った戦時中の体験談や関連資料を集めるアンケートの結果をまとめた展覧会が8日、同博物館で始まる。市内を中心とする戦争体験者やその遺族67人から寄せられた証言を、軍隊手帳や戦時中の衣類などとともに紹介。銃後の守りや戦後の生活ぶり、戦争体験者の帰郷後の様子がどうであったかを知ることができる。
 会場には、空襲や学徒動員、朝鮮半島からの引き揚げなどの証言をまとめた模造紙が並ぶ。家族を失った悲しみ、戦争体験を具体的に話さないまま亡くなった人の生前の様子、男手を失い貧しい生活を強いられたつらさなどの体験談もある。
 アンケートは、戦争体験者の減少に伴い戦争の記憶が風化し遺品が散逸するのを防ぐため、戦時生活部が独自に実施した。4~5月に市内全域に情報提供を呼び掛けた。
 多くの体験談に加え、出征記念ののぼり、シベリア抑留の捕虜番号札、金鵄勲章、日記、戦地からの手紙など約200点の物品が集まった。提供者の中には、処分しようか迷っていた人もいたという。
 臼井部長は「安曇野にも戦争があったことを感じ、戦争を知る世代とつながる意識を持ってほしい」と話している。
 展示期間は30日までで午前9時~午後5時(最終日は午後4時)。8日、15日、22日の午後1時半からは、戦争体験者や遺族の体験談を聞くギャラリートークが行われる。友の会絵手紙展との同時開催。入館料は100円。月曜休館。

部員が聞き取った戦争体験談を書いた模造紙や関連資料が並ぶ展示会場