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2025年

「本当の教育」追う澤柳政太郎の言葉 松本出身 生誕160年でパネル展

2025/11/07
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 松本市安原地区出身の教育家で、幼稚園から大学・大学院まで擁する成城学園(東京)を創立した澤柳政太郎(1865~1927)の生涯を振り返るパネル展が24日まで、松本市大手3の市立博物館で開かれている。小学校の無償化など現代につながる教育制度を確立し「日本教育界の父」と称される澤柳の生誕160周年に合わせた展示で、「本当の教育」を追い求めた澤柳が残した言葉を紹介している。
 小学校教育を重視した澤柳が、児童が自学自習する力と精神習慣が養成されたならば中学校や高校は必要ないという趣旨の言葉を残したことをパネルで紹介。「教師も学生なり」との言葉もあり、教育者に対しても日々学ぶ姿勢を求めたことが分かる。
 晩年は教育を通じて国際協調を進めることを訴えたことも伝えている。昭和2(1927)年、世界連合教育会創立会議で演説した「国際主義と調和されない国家主義は退けなければならない、他国を眼中に置かない愛国主義は拒否しなければならぬ」との言葉は印象的だ。
 生誕160周年記念事業の連携企画として市立博物館が主催した。加藤孝館長は「現在にも通用する言葉が多くはっとさせられる。言葉の意味を深く考えたい」と話していた。問い合わせは市立博物館(℡0263・32・0133)へ。

澤柳が残した言葉を紹介するパネルが並ぶ展示会場