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2025年

安曇野赤十字病院 臨床研修医が増加 本年度7人 医師確保・活力向上に期待

2025/11/06
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 安曇野市豊科の安曇野赤十字病院で、医師としての基本的な診療能力を磨く「臨床研修医」が増えている。大学医学部を卒業して医師国家試験に合格した1年目、2年目の医師で、本年度は近年で最多となる7人が奮闘している。若い医師が大都市圏に集中する「偏在問題」が指摘される中、医師確保や病院全体の活力につながることが期待される。
 同病院で5日に開かれた運営協議会で報告された。平成19(2007)年度には臨床研修医が8人在籍したこともあったが、令和5年度1人、6年度3人と低迷していた。
 臨床研修は医師法に基づく制度で、都道府県知事の指定する病院で2年以上が義務付けられている。同病院で2年間研修する「基幹型」のほか、同病院と信州大学医学部付属病院(松本市)で1年間ずつ研修する「たすき型」がある。本年度は基幹型が5人、たすき型が2人となる。
 同病院が臨床研修の場に選ばれるようになった要因は、先輩からの口コミ、自然豊かな安曇野で研修できる魅力の動画発信、就職説明会でのアピールが考えられるという。同病院は「そういった効果から、県内出身でも信大医学部出身でもない臨床研修医が増えている」としている。
 臨床研修医が増えることで救急診療の即戦力になることも期待されている。
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 同日の運営協議会では、本年度上半期(4~9月)の経営状況も報告された。医業収益は34億2698万9000円と前年度同期より3・1%伸び、医業費用は36億5732万1000円と1・8%減った。医業収支は2億3033万2000円の赤字だが、前年度同期の赤字額4億45万4000円と比べて大幅に改善された。
 本年度上半期は地域の医院から患者の紹介を受ける紹介件数が3645件で、前年度同期より235件(6・1%)減った。同病院は「安心して紹介していただけるように問題点を洗い出していきたい」としている。

臨床研修医が増えていることが報告された運営協議会