塩尻市役所の機関車 次世代へ 旧国鉄OB・デゴイチ会 清掃保存活動の仲間募る
2025/11/06
後で読む

塩尻市役所の敷地に展示されている蒸気機関車(SL)の「D51」の清掃保存活動が5日、行われた。市内の旧国鉄OBを中心に構成する「D51(デゴイチ)会」が担う。ただ会員の高齢化が進んでいて、次世代に継承するため、今後も安定的に活動を継続する基盤を作りたいと、JR出身者でなくても一緒に活動する市民有志を募っている。
この日は年6回実施される清掃奉仕の本年度の最終回で、会員8人が、約1時間半、色あせが目立つ箇所に黒色のペンキを塗るなどした。昭和14(1939)年2月の製造から86年たち、風雨にさらされ車両も傷んでいることから、優しい手つきで進めた。動輪を連結するロッドは見栄えを左右するため、きれいに保つようにしているという。
D51は34年間で215万8706キロを走行し、廃車後の昭和48年から展示されている。歴代の旧国鉄OBを中心に保存に努め、4、5、7、9、10、11月と定期的に作業をする。塗料などの資材は市が提供している。年末には愛情を込めて正月飾りを施す。活動する会員の最高齢は85歳の元機関士で、70代が主だ。OBではないが、興味を持って昨年から清掃活動に参加する西村佳人さん(64)=広丘原新田=は「皆さん優しく、楽しくやらせてもらっている」と話す。
D51周辺には幼稚園児や親子連れが訪れて楽しむ様子も見られ、憩いの場になっている。JR長野OB会塩尻支部の横山真一支部長(78)=大門二番町=は「レガシー(遺産)を一緒に守ってくれる人がいたら、ぜひ活動に参加してほしい」と呼び掛けている。



