山岳バス利用者目標超え 7~10月実証実験 1便平均4.6人で市は手応え
2025/11/05
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安曇野市の市街地と北アルプスの蝶ケ岳・前常念岳方面の三股登山口(堀金烏川)を結ぶ山岳観光バス「三股線」は10月中旬で本年度の実証運行を終了し、利用実績がまとまった。1便当たりの利用人数は4・6人で、目標としていた採算ラインの4人を上回った。来年度の計画は未定だが、太田寛市長が「登山口への円滑な移動手段の検討」を2期目の公約に掲げており、事業は継続されそうだ。
三股線は、三股登山口周辺で問題となっている駐車場の混雑と路上駐車の解消に向けて市地域公共交通協議会(会長・太田市長)が試行した。JR穂高駅前などと登山口を結ぶ区間を、7月中旬~10月中旬のうち土・日曜や祝日、お盆期間などに限定した41日間、9人または13人乗りのバスを1日6便(3往復)運行した。
乗客数は計1147人で、1日当たりの乗車率は多い日で7割を超えた。予約数は、悪天候などによるキャンセルを除いて1440件。市政策経営課の担当者は「改善点はあるが、それなりの数値は残せた。新しい輸送手段に十分なり得るのではないか」と手応えを話す。集計中の利用者アンケートでは「縦走ルートの選択肢が増えた」「狭い山道での運転に慣れないので安心」といった前向きな意見が多いという。
今年の登山シーズンは終盤を迎え、市内の山小屋の多くは、4日までに今季の宿泊営業を終了している。路肩崩落による通行止めが続く林道一の沢線の復旧工事はこれからで、市が国との協議を続けている。




