筑北の横山ギターズ 被災地・福島の榧をウクレレに
2025/11/05
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筑北村に工房を構える「横山ギターズ」が、東日本大震災の被災地・福島県広野町を支援しようと、現地の材を使ったウクレレ制作に取り組んでいる。製品を提供するだけでなく、コミュニティーの活性化や地域経済の振興にもつなげたいと、1年前から現地に通って地元の人と交流してきた。試作品が完成し、先月29日に広野町の3人が初めて工房を訪れた。
材に使っているのは碁盤の材料として知られる榧で、横山ギターズの橋川知明さん(46)が3月に現地を訪れて調達してきた。制作した横山正さん(68)によると、通常よりも色が黄色く鮮やかという。今後、広野町にちなんだ「みかん」や「とんぼ」をモチーフにしたロゴマークを入れて製品化する予定だ。
広野町からは、合同会社ちゃのまプロジェクトを立ち上げ多世代交流スペース「ぷらっとあっと」を運営している青木裕介さん(44)と、ぷらっとあっと館長の磯部吉彦さん(65)、町地域おこし協力隊員でプライベートでも活動に携わる石田祥子さん(23)が来村。滑らかな手触りと美しい色合いに「きれい」と歓声を上げた。今月、町民に呼び掛けて「大試奏会」を開く予定だ。
横山ギターズと広野町をつないだのは、大震災から3年後の平成26(2014)年から広野町を撮り続けている写真家・八木香保里さん(51)=東京都。横山ギターズの工房写真などを撮影したのがきっかけとなり、今回の企画が始まった。
広野町にはウクレレをふるさと納税の返礼品とする計画もある。橋川さんは「広野町の復興は進んでいるがさらに一歩先に進め、音楽が流れる街づくりに貢献できれば。今後もさまざまな企画を考えていきたい」と話している。




