住民も草刈り 保全に協力 大桑・フクジュソウ群生地 所有者が高齢に 方法模索
2025/11/01
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大桑村長野の山本克之さん(85)の所有地にあるフクジュソウの群生地を守ろうと、住民有志が管理に協力している。約1ヘクタールの斜面は年に3回ほど草刈りが必要で、手伝っている。山本さんが高齢となり管理の負担が増す中、県内外から多くの見物人が訪れる地域の貴重な風景を残そうと、方法を模索する。
群生地は30年ほど前にもともと桑畑だった一帯をならしたところ、自生していたフクジュソウが徐々に増えていった。インターネットなどで評判が広がり、遠方では大阪から見に来る人もいるという。
山本さんと交流があった同村野尻の勝野徹さん(80)が、管理の苦労などを聞いており、3年前からボランティアで草刈りを手伝い始めた。機械で数時間ほどの作業を2、3日繰り返し、一帯を整備する。今年は村内の30代の夫婦も協力し、5、7、10月にそれぞれ実施した。
勝野さんは「今まで何げなく見ていたが、手間をかけて維持されてきたことを実感する」と話す。一方、草刈りの手間自体は、協力し合えば対応できる範囲と受け止める。
山本さんは数年前に一時体調を崩すなどしており「協力は大変心強く、ありがたい」と感謝する。私有地ということもあり、協力の輪を広げるかなど来年以降の対応は今後検討していくという。勝野さんは「せっかくの場所を残していきたい。方法を考えられれば」と話す。




