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2025年

増える災害時協力井戸 松本市が昨年9月から募集 100カ所程度の登録目指す

2025/10/31
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 松本市が昨年9月から募っている「災害時協力井戸」に、1年間で41件の登録があった。地震などの災害で水道が断水した時に生活用水を手に入れられる井戸で、水源が豊富な市街地を中心に四賀地区や波田地区の井戸も登録されている。市内には他にも多数の井戸があり、市危機管理課は万が一の時に備えて協力を呼び掛けている。
 災害時協力井戸は個人のほか、企業や団体が所有する井戸が登録できる。生活用水として活用できる水質で、災害時に無償で提供できることなどが条件になる。市の公式ホームページで所在地を公表し、「災害時に生活用水として利用できる井戸があります」と記されたプレートが井戸周辺に掲げられる。
 島内の島高松町会が管理する島高松公民館前には、令和6年に完成した「ひろばの泉」に井戸があり、昨年9月に災害時協力井戸の3カ所目として登録された。井戸は地下30メートルから電動ポンプで水をくみ上げる仕組みで、蛇口がついていてホースからポリタンクなどへ給水できる。同町会の高山拓郎町会長(75)は「避難所にもなる公民館で水が使えるようにと整備した。災害時は誰でも自由に使ってもらえれば」と話している。
 災害時協力井戸は大規模災害に備えて全国の自治体で導入が進んでいる。市は昨年9月に導入し、市内の個人や団体、企業が所有する約550カ所の井戸の登録を呼び掛けている。市危機管理課は「当面の目標として100カ所程度の登録を目指しているので、周知に力を入れたい」としている。

島高松公民館の敷地に設けられている「災害時協力井戸」

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