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2025年

ロボットスーツでの歩行リハビリ 信大病院が自由診療でも開始

2025/10/29
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 信州大学医学部付属病院(松本市旭3)は、医療用の装着型ロボットスーツHAL(ハル)を用いた自由診療の歩行リハビリテーションプログラムを県内で初めてスタートさせる。令和4年から保険適用の特定神経難病患者向けに取り組むリハビリ治療で高い効果が確認されており、適用外でも希望する患者の受け皿として個別性の高いトレーニングを提供していく。
 28日にリハビリテーション科の堀内博志教授らが記者発表した。新プログラムは脳卒中後遺症や脊髄損傷、パーキンソン病などを想定し、医学的観点からトレーニングの可否などを評価、病院の倫理委員会で妥当性や安全性を判断して取り組む。1回60分で1万8600円、75分で2万1500円を基本とし、初回費用は別途2400円。回数や頻度は患者の希望を基に設定する。
 HALは筋肉を動かそうとする脳からの電気信号に反応し、装着者の歩行動作を支援する。信大病院では3年半で入院、外来30人の実績がある。保険診療では対象疾患やリハビリ回数が制限され、自由診療の取り組みは大学病院で全国2例目、国立大学では初めて。厳しい経営環境にある国立大学病院で、収益性を確保できる診療のモデルケースとなることも目指す。
 ロボットを用いた自由診療リハビリテーション拠点として立ち上げた「信州ロボティクリハビリテーション・ラボ」のプログラムの一つで、今後別のロボットによるリハビリも提供していく。
 堀内教授は「患者さんがやりたいように選べることが自由診療の良さ。もう一度歩きたいという要望に応え、全力でサポートしていく」と話している。

HALのデモンストレーション

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