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2025年

安曇野市が今秋 単身高齢者の実態調査見直し 対象70歳以上に 民生委員の負担軽減へ

2025/10/28
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 安曇野市は今秋から、民生委員に依頼して行っている1人暮らし高齢者の実態調査の対象者を、現在の65歳以上から、70歳以上に引き上げる。高齢になっても働く人が増えており、複数回訪問しても会えないケースが増えているためで、民生委員の負担感の軽減につなげる。
 民生委員は地元区の単身高齢者宅を訪問し、介助の必要度や介護サービスの利用実態、緊急連絡先などを聞き取って「実態票」を作成する。市は実態票を回収して本人の同意の上で援護台帳を作成。民生委員や地域包括支援センターと共有して緊急時の安否確認や介護予防に生かしている。
 昨年度の65歳以上の単身高齢者(世帯分離を除く)は3455人、70歳以上だと3042人で、調査対象は従来の8~9割に絞られる。定年延長などの影響で何度訪問しても会えないケースが多く、面識のない人の訪問を快く思わない人からの苦情もあるという。生活実態が全く分からない人、緊急連絡先の記載がない人などを優先する訪問の仕方の参考例を示し、効率的に調査できるようにした。
 民生委員は高齢化が進み、全国的に担い手確保が困難になっている。こうした中、市の民生委員216人は11月末で3年間の任期が満了となり、改選時期を迎える。従来の実態調査期間は9~12月の3カ月だが、本年度から10月~翌年5月に変更し、厳寒期を避けて訪問できるようにした。
 市内では1人当たりの訪問戸数が10戸未満~約80戸と地域差がある。市高齢者介護課は「一番は民生委員の負担軽減。なり手不足や活動継続の一助になれば」としている。
 70歳未満で対象外となった人でも支援が必要と判断される場合は、見守りは継続される。

単身高齢者の実態調査の見直しについて市の説明を聞く民生委員(27日、穂高地区)

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