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2025年

軍事郵便読み解く 安曇野市文書館ワークショップ

2025/10/27
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ワークショップで学びを深める参加者

 安曇野市堀金烏川の市文書館は26日、堀金公民館講堂で文書館講座「7銭に思いを載せて」を開いた。出征兵士と家族や地域の間で交わされた軍事郵便に焦点を当て、切手の有無や検閲の実態などを紹介し、グループごとに当時の書簡を読み解くワークショップをして学びを深めた。
 平沢重人館長が講師を務め、約20人が聴講した。「7銭」は昭和19(1944)年に書簡を送る際の郵便料金で、戦地に宛てた手紙は正規料金が徴収されたが、戦地から出された郵便物は原則無料だった。検閲官による検閲があり、戦況に影響を与える内容や戦意をそぐような言葉は墨で塗りつぶされた。
 平沢館長は、来場者が持参した軍事郵便も紹介。文章中に「自由主義が抜けきるのが困難です」と書かれていることから、「戦地からこちらに出されたはがきに(黒塗りされずに)残っているのは貴重」と語った。
 市文書館は軍事郵便約600点を所蔵している。市制施行20周年記念と戦後80年の節目を捉え、12月28日まで市文書館で開催している企画展「手記80年の時を超えて」の一環で講座を企画した。