0000日(木)
2025年

87歳・塩尻の上條達子さん 2年前から描き始めて初の個展

2025/10/25
後で読む

 塩尻市片丘の上條達子さん(87)が、85歳で始めた絵画の作品を紹介する初めての個展が28日まで、松本市出川3のギャラリータカハシで開かれている。庭の草花を主な被写体に、色鉛筆で描いた華やかな作品が会場を彩っている。上條さんは「初めは恥ずかしさがあったが、今は皆さんに見てもらえると思うと、うれしくて仕方がない」と笑顔を見せている。
 作品はF4サイズ(縦33センチ、横24センチ)が主体で、アザミ、ダリア、アイリス、クリスマスローズなどの花びらや葉っぱの一枚一枚を、36色の色鉛筆を使って画面いっぱいに描いている。絵画を始めた当初は鉛筆で下書きをしてから塗っていたが、最近は色鉛筆で画用紙に直接描いている。
 85歳の時に、地元の南熊井公民館で開かれた集いで塗り絵の企画があり、そこで「はまっちゃった」(上條さん)。義理の妹で画家の上條喜美子さんの助言も受け、15分ほどの時間があれば色鉛筆を握る。喜美子さんは「(達子さんは)色彩感覚とバランス感覚が本能的に研ぎ澄まされている。この花を描きたいという熱意が絵に表れている」と話す。
 達子さんは80歳まで、夫の兼義さん(88)とコイの養殖一筋に歩んだ。絵画に打ち込む暮らしが来るとは「思いもよらぬこと」と自分自身に驚く。知り合いに「元気をもらえる」と個展開催を勧められ、思い切って開催した。達子さんは「絵との出合いは本当にありがたい。これからもずっと描き続けていきたい」とさらなる意欲を見せている。

作品と上條達子さん