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2025年

上高地に入園料導入検討へ 臥雲市長の諮問機関が中間報告

2025/10/25
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中間取りまとめを報告する藤澤会長(右から2人目)、上條副会長(左)

 松本市安曇の山岳景勝地・上高地(槍・穂高連峰を含む)の総合的・一元的な管理について研究する臥雲義尚市長の諮問機関(会長・藤澤高穂五千尺社長)は24日、臥雲市長に中間とりまとめを報告した。組織体制の強化と財源確保を研究する必要性を指摘し、来年3月の提言に向けて、新たな管理運営組織(法人)の検討、入園料(利用者負担制度)導入の検討を進めるとした。

 市役所に藤澤会長と上條靖大副会長(徳澤園社長)が訪れ、市として主体的な関与(予算への反映)と人員の充実を求めた。臥雲市長は「組織強化と利用者負担という二つの柱をより突っ込んで研究し、実現に向けて取り組んでいくと受け止めた」と議論のさらなる深まりを期待し、「予算編成の準備を進めたい」と前向きに応じた。
 諮問機関(研究会)は上高地の宿泊事業者や交通事業者、公園管理団体などで構成し、市が文化財保護法に基づく管理団体に指定されたことを受けて1月に発足した。道路・登山道の管理など上高地に横たわる課題や、既存組織・予算では解決できない状況にあるとの認識を共有。管理運営組織と財源確保に関する提言の方向性を検討してきた。
 藤澤会長は「入園料ありきではなく、国内外の事例を学んで検討を進めたい」と見通し、上條副会長は「私たちが日本のルール、組織をつくっていこうとの認識で取り組んでいる」と、研究会に懸ける意気込みを話した。