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2025年

安曇野市議会 市議22人中19人が無会派に 3人の1会派のみ 20年で初

2025/10/24
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 安曇野市議会に衝撃が走った。任期満了に伴う改選を経て新たな市議22人でスタートした23日、会派(議員3人以上)の結成を届け出たのは3人の1会派だけで、残り19人は会派に所属しない「無会派」という異例の事態になった。新人9人は全員が無会派。まずは正副議長選挙を見据えて会派を結成し、会派間の駆け引きで議会内の人事を主導する「習わし」が消えた。
 改選後の初日に届け出が1会派だけというのは市議会20年間の歴史で初めて。あるベテラン議員は「会派があればお互いに磨き合えるのに…」と驚きで言葉を失っていた。
 多数の無会派が生じた最大の要因は、議会人事を取り決める「先例」を見直したことにある。改選前は会派の人数に応じて一部事務組合の議員数を割り振っていたが、見直しによって会派に所属していなくても就けることになった。別のベテラン議員は「無会派の議員でも不平等な待遇を受けることがなくなった」とする。
 さらに、今回は22人のうち新人が9人と多くを占めていることも要因となった。そもそも会派とは「政策または主義を同じくする議員で構成し活動する団体」と市議会で定義しており、議会が始まったばかりで誰と組んだらいいのか分からない―との声も強い。
 ある新人は「思いを共有できる人とつながりたい。この短期間では(どの会派に所属するか)決められなかった」と説明する。別の新人も「議長を決めるために会派を組むように見えた。じっくり考える時間を持つべきだと感じた」と語る。
 さらに別の新人も「相手を知らないと行動を共にできない。活動していく中でしっかり見極めたい」とした。
 一方で、4期目の一志信一郎氏と2期目の増井裕壽氏と会派アヅミライを結成した、会派代表で5期目の内川集雄氏は19人が無会派という状況を「本当に驚いた」とし、「先輩議員としてみんなが集えるような見本になりたい」と語った。
 28日には正副議長選挙が行われ、常任委員会委員や一部事務組合議員も内定する。29日に予定される臨時会で正式に決定する。