高校生が全身でアート体験 ニューヨーク在住・大森さん、筑摩高で授業
2025/10/24
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米国ニューヨーク在住のアーティスト・大森千寿さん=香川県出身=を招いた「感性の扉を開く」特別授業が23日、松本市の松本筑摩高校で始まった。表現活動を通じて心を解放するアートセラピーにも取り組む大森さんに、中島秀明校長が講師を依頼し昨年初めて実現。生徒たちが生き生きと取り組む姿から再び企画された。うまく描くためでも評価されるためでもない、自由でエネルギッシュなアートを全身で楽しんでいる。
初日は午前部、午後部、通信制の生徒ら10人余が参加した。長辺約6メートル、短辺約1.3メートルの紙を2枚広げ、さまざまな感情を色や線や形で表現。うれしい、楽しい、怒り、自信…。大森さんが投げ掛ける言葉を反すうしながら腕を動かすと、互いのクレヨンや絵の具が紙の上で混ざり合った。最後は「感情の爆発」を表し、紙を破いて貼ったり足の裏で絵の具を延ばしたり。初めは指先で小さく描いていた生徒も全身で絵の具の海にダイブしていた。
大森さんは「表現活動を通して自分も気付かなかった潜在的な自分が現れる。アートから生きる力を受け取ってほしい」と話す。昨年に次いで参加した午前部4年生・長島好平さんは「枠にとらわれずに感情を表現できるのが楽しい。自分を見つめ直す機会にもなった」と話していた。
特別授業は24日も開かれるほか、市内の特別支援学校でも予定されている。