林哲の制動車 復元完了 上松町観光協会 赤沢休養林に展示
2025/10/24
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上松町の赤沢自然休養林で、かつて山から切り出された木材を搬出した森林鉄道(林鉄)の車両「制動車」が復元され、23日に最終確認作業が行われた。復元を行った町観光協会は、地域の歴史を伝える貴重な史料として、赤沢を訪れる多くの人に見てもらいたい考えだ。
制動車は、林鉄の列車の最後尾に接続され、ブレーキを掛ける役目を担っていた。復元された車体は、台車を除く寸法で、幅、高さが約2メートル、前後の長さが約1・5メートル。
復元作業では、車体を一度分解し、劣化した木材は新しい木曽ヒノキなどに交換。台車は、元はヒノキだったが、より水に強く長持ちするクリ材に代えた。8月以降、一般参加者も交えて塗装作業を行い、元の色と同じ明るい赤や黄色に仕上げた。作業には県地域発元気づくり支援金を活用した。
県上松技術専門校卒業生で、家具製造などを営む中川裕司さん(40)=大桑村=が一連の作業を担った。かつての姿を正確に復元するため、分解前に細かく採寸する作業などに気を使ったと振り返る。「赤沢自然休養林を楽しんでもらう機会の一つになれば」と願っていた。
制動車は、休養林内の森林鉄道記念館近くに展示されている。




