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2025年

市民芸術館で11月から舞台・チェーホフを待ちながら 俳優の山内圭哉さん語る「松本での公演は幸せ」

2025/10/23
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 松本市深志3のまつもと市民芸術館で、11月6~9日に上演する舞台「チェーホフを待ちながら」の稽古が行われている。ロシアの劇作家アントン・チェーホフ(1860~1904)の一幕劇を集めたオムニバス形式の喜劇で、一座は1カ月滞在しながら芝居を磨く。出演する俳優・山内圭哉さん(53)に、作品の手応えや松本の印象について聞いた。
 脚本・演出・出演の土田英生さんが設定を日本人に変え大胆に潤色した4作品で構成し、山内さんは「熊」「煙草の害について」に出演する。アイルランド出身のサミュエル・ベケット(1906~89)の戯曲「ゴドーを待ちながら」が全体のベースとなり、山内さんは「取っつきにくいけれど名作とされる世界を非常にポップに描いている」と説明。チェーホフの面白さを練り直し、分かりやすく表現しているとする。
 稽古は7日に始まり、出演者の経験値などが近く共有できることも多いため順調に進んでいるという。松本は過去にも公演で訪れており「人や運転マナーの良さ、まちのつくりなど清らかさにおののく」と笑いつつ、文化・芸術が生活に根付いていると印象を語る。
 地方の公共劇場は商業主義に偏らず、純粋に面白いものづくりをして鑑賞者も育てているといい、「松本はその筆頭で中央の演劇人はリスペクトしている」。今回は「やりがいのある芝居をつくり、大事に一生懸命見てくれる文化度の高いお客さまがいる幸せな公演」と喜び、「目の前にある稽古を楽しみ咀嚼していくことで面白い作品になっていくのでは」と、肩の力を抜いて臨んでいる。
 4日間で5公演を予定し、チケットは一般4500円、25歳以下2000円。問い合わせは同館チケットセンター(電話0263・33・2200)へ。

作品や松本の印象を語る山内さん