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2025年

森林地籍調査に先進技術 木曽町 全国初 ドローン、AI活用 信大と連携

2025/10/23
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 木曽町は本年度、信州大学などと連携し、小型無人機ドローンとAI(人工知能)技術を活用して、森林の地籍調査を効率化・コスト削減する全国初の取り組みを始めた。従来の調査法と比べ、所有者の現地立ち会いなどを省略でき、調査期間の大幅短縮などにつながる。戦後植えられたカラマツなどが伐採適期を迎える中、地場産材活用の迅速化に寄与する「木曽モデル」として推進を図っている。

 取り組みでは、ドローンで調査対象の森林を空撮する。空撮情報を基に木々の樹種を判別し、AI技術や、その森林に関するほかの資料などを基に地籍の境界を明確にする。結果について森林所有者と確認、同意を得て、登記簿に反映させる。
 町は昨年度、日義・野上地区の14ヘクタールで、森林の境界明確化までを試験的に実施。本年度は町が国の補助金も含めて約1200万円をかけ、新開・上小川地区の80ヘクタールで一連の調査を進め、登記簿への反映までを目指す。
 町役場で22日、町、信大、同大発のスタートアップ企業・精密林業計測などが共同記者会見を開き、木曽モデルについて説明した。
 原久仁男町長は、先進技術の活用により、地場産材活用を図る町の「木の産業づくり事業」が一層進むとし「大いに期待している」と述べた。信大農学部森林計測・計画学研究室の加藤正人特任教授は、取り組みにより「木の産業づくりのベースとなる一丁目一番地の情報を提供できる」と力を込めた。

先進技術を生かし森林の地籍調査を効率化する取り組みについて説明する加藤特任教授